レチノールの副作用にはどのようなものがあるか?
レチノールは効果が高い反面、刺激が強く、肌の弱い人にはお勧めできません。
市販の製品の場合はほとんどが薄められているため、神経質になる必要はありませんが、それでも敏感肌の人は注意が必要です。
人によっては炎症を起こしたり、赤く腫れたりといった肌への影響もあります。
ただし、使い始めにカサつくのは通常の反応です。
まずは少量を3日に一回くらいつつ使い始めて、慣れさせましょう。
それでも肌に合わない場合は、美容皮膚科に相談するか、ビタミンC誘導体やナイアシンなどの肌に優しい成分で代用します。
妊婦さんには要注意
レチノールはビタミンAの純粋な形です。
ビタミンAには過剰症があり、摂取すべき上限が決められています。
ビタミンAは、我々の普段の食事にはおよそ780μgレチノール当量が含まれています。
これは国際単位のIUで表すと2600IUになります。
過剰に摂取した場合、急性のものでは下痢や嘔吐、頭痛などが起こります。
これはビタミンAの摂取をやめれば即座に収まりますが、妊婦の場合は胎児に先天性異常が現れることがあります。
ビタミンAが含まれている食品は多く、またサプリメントのなかには10000IUを超えるものもあり、無理なダイエットでの欠乏症以外は、過剰に摂取してしまう可能性が高いといえます。
妊婦の上限許容量は5000IUですので、妊娠が発覚したり、今後妊娠するつもりである場合は、ビタミンAのサプリメントは控えましょう。
ただ、実際のところ通常の動物性ビタミンAであるレチノールでも、植物性のβ−カロテンでも、どちらも副作用の報告はありません。
副作用の可能性が高いのは、ビタミンAの活性型であるレチノイン酸であり、これはレチノイン酸が遺伝子の発現をコントロールしているためです。
ここまで読んで気がついたと思いますが、ビタミンAが問題になるのは、あくまで食事やサプリメントで過剰に摂取した場合です。
レチノールを外用で用いた場合、つまり化粧品として肌に塗る場合は、胎児の先天性異常や副作用は引き起こされません。
それでも、妊婦さんはやはりレチノール配合の化粧品は控えるべきでしょう。
ビタミンAを含んだサプリメントも同様です。