レチノール 種類

レチノールの種類にはどんなものがあるのか?

レチノールの種類という言葉は正確ではなく、正しくはビタミンAの種類あるいはレチノイドの種類というべきですが、化学的な難しい話よりもわかりやすさを優先して進めていきます。

 

狭義の意味では、生体内のビタミンAはほぼレチノールを指します。

 

このレチノールはアルコール体であり、カロテノイドのひとつβ−カロテンが開裂して2分子のレチナールになり、それがさらに酸化してできたものです。

 

レチノールに名前のよく似たレチナールはアルデヒド体で、網膜によく含まれています。
iPhoneの画面などがレチナディスプレイと呼ばれているのはRetina(網膜)に由来していますが、レチナはレチナールからきているのが分かりますね。

 

まとめると、生体内でのビタミンAは主に以下の形で存在します。

 

  • アルコール体…レチノール
  • アルデヒド体…レチナール
  • カルボン酸体…レチノイン酸

 

レチノイン酸と同様の生物活性を有するものを、総称してレチノイドと呼びます。

 

レチノイドと混同されるものにカロテノイドがあり、β−カロテンだけでなくα−カロテンやγ−カロテンなどはレチノールへの転換が可能です。

 

これらカロテノイドは、小腸で代謝を受けてレチノール、すなわちビタミンAを生成します。

 

このため、カロテノイドはプロビタミンAと呼ばれます。

 

ビタミンAが十分にあるときはこの代謝は行われず、カロテノイドはカロテノイドとして独自に働くため、過剰症になることはありません。

スキンケアに優れているレチノールはどれ?

レチノールについて化学的な観点から少し詳しく説明しましたが、重要な点は「どのレチノールが肌にいいのか?」でしょう。

 

単純に、レチノイン酸の方がレチノールよりも強力です。
美容皮膚科で処方され、目尻の小じわやくまなどの改善に使用されます。

 

目の周りのように皮膚が薄い場所は、ヒアルロン酸注射などの注入治療に向かないためです。

 

トレチノインもレチノイン酸の一種なので、非常に強力です。
生理活性はレチノールの50〜100倍もあります。

 

※生理活性(せいりかっせい、physiological activity, bioactivity)とは、生体内化学物質が生体の特定の生理的調節機能に対して作用する性質のことである。Wikipediaより

 

海外(アメリカ、中国、韓国など)ではしわやニキビの治療薬として定番になっています。

 

レチノール自体、非常に高い効果があり、その分刺激も強いという難点がありましたが、レチノールよりも強力な成分には当然それらの難点も強化されています。

 

肌の弱い人にはレチノール同様、注意が必要です。

 

より早く、より強力にしわやしみの改善をしたいという場合に使用するものですが、長期的にはどれも同じくらいの効果に落ち着きます。

 

また、最近ではレチノールそのものも、より安定化させるためにパルミチン酸と結合させたりと種類が増えてきています。

 

パルミチン酸レチノールは、酸化しやすいというレチノールの弱点を補い、かつ肌に浸透させやすくしているため、紫外線の多い時間帯でも使えます。

 

色々なレチノールの種類があり、どれを選ぶべきか迷ってしまう事もあるかもしれませんが、成分そのものよりも用途や目的を重視しましょう。

 

目元のしわやたるみには【Gracieux】

 

顔全体のレチノール美容液ならb.glen(ビーグレン)のQuSomeレチノA

 

より高い効果と集中ケアならオバジ ニューダームシリーズ



レチノールの種類記事一覧

レチノールの100倍!トレチノイン

トレチノインはビタミンA誘導体で、レチノイドの一種です。非常に強力な効果があり、海外ではしわやニキビ治療薬として定番になっています。また、角質溶解作用や抗炎症作用などもあります。しかしレチノールに比べて50〜100倍もの生理活性があることから、かぶれやすく扱いに難しい側面もあり、使用に際しては注意が...

≫続きを読む

レチノールとハイドロキノン

レチノイドであるレチノールやトレチノイン、レチノイン酸などと同様に、近年美白成分として注目されているのがハイドロキノンです。欧米ではかなり以前からトレチノインと並んで美白成分として使われていましたが、刺激が強すぎるため日本では認められていませんでした。最近の規制緩和によってようやく日本でも化粧品に配...

≫続きを読む


レチノールとは? レチノールの効果 レチノールの副作用 レチノールの化粧品選び レチノールの種類 肌トラブルの原因と対策