レチノールの効果は皮膚科学的に一番評価が高い?
レチノールは、コラーゲンを増やすための代表的な成分です。
肌の潤い成分であるコラーゲンは、40代になるとほとんど作られなくなります。
しかしそれを補うためにコラーゲンそのものを飲んだり塗ったりしても意味はありません。
コラーゲンはあくまでたんぱく質であり、胃に入った段階で【消化】されて分解されてしまいます。
アミノ酸へと分解されたものが再びコラーゲンになる可能性もゼロではありませんが、それほど多くはないでしょう。
もちろん、良質なたんぱく質ですので体に悪いわけではありませんし、肌にいくらかのプラス効果を出すこともあるでしょう。
しかしコラーゲンを補うためにコラーゲンを飲むのはナンセンスです。
また、化粧品としてコラーゲンを肌に塗るのも無意味です。
分子量が大きく、肌に浸透することはないため、せいぜい保湿にしかなりません。
たとえコラーゲンが真皮へと浸透したとしても、人体に吸収されてしまいます。
ほうれい線を取る手術などで、コラーゲンの注入といった方法がありますが、時間が経つごとに吸収されるため、元に戻ってしまいます。
その場しのぎとしては悪くありませんが、根本的な解決にはなりません。
では年齢とともに失ったコラーゲンを補うためにはどうするべきか?
そこで皮膚科学的に一番評価が高い、レチノールの出番です。
レチノールにはいくつか種類があり、たとえば医薬品にレチノイン酸がありますが、ここではまとめてレチノールとして扱います。
レチノールはコラーゲンを増やす
レチノールは線維芽細胞に働きかけ、コラーゲンの再生を促す働きを持っています。
成分としてはビタミンAの純粋な形ですが、ここで「ビタミン」について簡単に確認しておきましょう。
ビタミンとは、「体内で産出できないが、肉体の維持や代謝に重要な役割を果たすもののうち、炭水化物・たんぱく質・脂質以外の有機化合」の総称です。
ビタミンCなども含め、すべてのビタミンは外部から取らなければなりませんが、たんぱく質との違いは、体内でその「機能」や「役割」を果たすことです。
※もちろん、たんぱく質やアミノ酸も人体には重要です。
つまりコラーゲンのように飲んで分解されてしまうのではなく、ビタミンはビタミンのまま体内で働きます。
レチノールも、人の体内ではビタミンAとして作用します。
ビタミンAが欠乏すると、夜盲症や感染に対しての抵抗力の低下などのほかに、皮膚や粘膜の角質化、皮膚の異常乾燥、色素沈着といった症状を呈します。
つまりお肌にとってビタミンAは欠かすことのできない存在。
レチノールによって、皮膚の角質化や乾燥、くすみなどを防ぎ、コラーゲンの生成を促して肌にみずみずしさや潤いを与えるのです。
まとめると、レチノールには以下のような働きがあります。
- 角質層を剥離
- 細胞分裂を活性化させ、皮膚の再生を促す
- 皮脂の分泌を抑える
- 真皮のコラーゲン生成を促す
- ヒアルロン酸の分泌を高める
レチノールの肌への効果
レチノールのそうした働きにより、しわ対策、しみ対策、肌の保湿力アップなどの様々な効果を得ることができます。
40代を境に作られなくなるコラーゲンを補い、肌の老化を防ぐことができるのです。
ただしレチノールとひとくちにいっても、その品質は一定ではありません。
「レチノールにはいくつか種類がある」と述べましたが、単純に一般的な化粧品に含まれるレチノールの量は少ないのです。
理由は、レチノールのその効果の高さにあります。
効果が高い分、肌の弱い人にとっては刺激が強く、使いどころが難しいのです。
レチノールは40代を過ぎた方のスキンケアには積極的に取り入れて欲しい成分ですが、肌の弱い人や若い人には適さない場合もあります。
結果として、万人受けを狙うべき一般の化粧品への配合は少なくなります。
実際、レチノールの使い始めはカサつくことも多く、3日に1回くらいから使用していき慣れさせる必要があります。
使い慣れてくれば、これほどしわやたるみ対策に最適な成分はありません。
「すべての美肌を求める人は、レチノールに行き着く」などといわれているほどです。
ここで改めてレチノールの効果についておさらいしておきましょう。
しわやたるみなどの肌老化を防ぐには、コラーゲンを増やすケアが必要不可欠です。
しかしコラーゲンそのものを飲んだり塗ったりしても意味がない事は説明した通り。
レチノールは、そうした減り続ける肌のコラーゲンを補い、肌老化に歯止めをかけます。
レチノールによって潤いと弾力のある肌を取り戻しましょう。